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生前贈与とは

生前贈与とは遺言書の作成とならび最もポピュラーな生前対策といえるでしょう。生前贈与の制度をうまく利用することによって、自身が死亡した後に発生する相続税を少なくすることができるのです。
ただし、正しい手順を踏まないと相続税がかかってしまったり、高額な贈与税が発生する可能性があります。そのため、今回は生前贈与のメリットや注意点について考えていきましょう。

 

生前贈与のメリットは、なんといっても節税になる点でしょう。また、年間110万円お以下の贈与であれば、贈与税の課税対象とならないので継続的に贈与をすることによって大きな金額が節税することができるのです。少しわかりにくいかと思いますので、具体例を出してみましょう。

 

例: 法定相続人が配偶者と子供の2人、相続財産が8000万円のケース

 

■生前贈与をおこなわない場合
相続税の基礎控除額:3000万円+(600×2)=4200万円
8000万円(相続財産)‐4200万円(基礎控除額)=3800万円(課税対象額)
3800万円ですと、相続税の税率が20パーセントで、控除額が200万円になるので、以下の金額が相続税になります。
(3800万円‐200万円)×0.2=720万円
720万円の相続税の支払いが発生することとなります。

 

□生前贈与をおこなった場合
被相続人は生前、自身の子供に対して10年間に100万円ずつ贈与をしました。
8000万円(相続財産)-1000万円(10年間で贈与した額)=7000万円
7000万円-4200万円(基礎控除額)=2800万円(課税対象額)
2800万円にかかる相続税の税率は15パーセントで、控除額は50万円になります。これを当てはめると以下のように計算されます。
(2800万円‐50万円)×0.15=412.5万円

 

生前贈与をおこなった場合としなかった時では約307万円も支払う相続税が違います。ですので、相続税が発生するとわかっている際は、事前に生前贈与をしておいた方が良いといえるでしょう。しかしながら生前贈与のやり方を間違えると節税にならない場合があります。次にお話しするのは生前贈与を利用するにおいての注意点を紹介したいと思います。

 

【生前贈与の注意点とは】
生前贈与の注意点はおもに4点ほどあります。

 

1 、贈与税の非課税枠の110万円は贈与する側ではなく、贈与される側の上限であることです。これを勘違いすると贈与税が発生することがあるので注意が必要です。例えば両親が息子にそれぞれ110万円ずつ贈与をおこなうと贈与税が発生します。父親が60万円、母親が50万円を贈与した場合は総額が110万円を超えていないので、贈与税は発生しません。

 

2 、非課税枠内の贈与でも贈与する期間が長いと贈与税が発生する可能性があります。これを連年贈与といいます。連年贈与とは計画的に大きな金額を贈与することです。例えば初めから1000万円を10年にわけて贈与するとみなされたときは、年間の贈与額が110万円以下であっても贈与税がかかってしまいます。対策としては、連年贈与と思われないように贈与契約書を都度作成しましょう。また、贈与する金額や時期をずらすことで回避できる可能性が高まります。

 

3 、被相続人死亡から3年以内の生前贈与は、贈与とみなされず相続税の対象となります。そのため、生前贈与をおこなう際は長期的に考えなければなりません。

 

4 、被相続人の家族名義である口座に被相続人の財産を預金していた場合、これは贈与に当たらず相続税の対象になります。

 

以上の4点がおもなデメリットとなります。
生前贈与は大きな節税の期待ができる反面、注意する点や落とし穴がたくさんあります。相続税の節税対策をお考えの場合は一度専門家に確認することをおすすめします。


丸山良尚税理士事務所では、相続税の節税方法や特例などの活用などを通して、相続税対策と争族対策を両面からサポートさせていただきます。スムーズな相続が行われるよう、相続人の立場にあったご提案をさせていただきます。
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