遺言書のメリットとデメリット
遺言書は生前対策においてもっともメジャーな方法だと考えられます。遺言書はそれぞれ遺言書の種類によってメリットとデメリットが異なりますが、今回は自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言に共通するおもな利点と欠点についておはなしさせて頂きます。
【遺言書を作成するメリット】
1、 遺言書の最大のメリットと呼ぶべくものは遺言を残した被相続人の死後、発生するかもしれない相続争いのリスクが低くなることです。適切な遺言書は被相続人の生前の意向を相続に関して反映させることができます。遺言書は非常に効力が強いものなので、相続人全員が破棄を希望しない限り、基本的には遺言書の内容に沿って遺産の分配がおこなわれます。どの相続人に何の財産を相続させるかを具体的に記載すれば、相続人同士のもめごとが起こりにくくなります。
2 、被相続人の財産は通常、民法で定められた法定相続人に相続されます。法定相続人とは基本的に被相続人の配偶者や子供・親など婚姻関係にあったり、血縁関係のある人のことを指します。しかし、遺言書を残すことによって本来相続権の無い人も財産を相続することが可能になるのです。
※なお、2019年7月1日に施行された相続法の改正法によって被相続人の生前に介護や看護を無償でおこなった親族には特別寄与料として金銭請求が認められるようになりました。
3 、遺言書を作成することによって相続による手続きを最小限に抑えられる場合があります。遺言書を作成しなかった場合、法定相続分による相続か、遺産分割協議での相続かのいずれかになります。前者は、不動産などの単純に金額で割り切れない財産の場合トラブルが発生する可能性があり、後者は相続人全員で話し合いをおこなわなければならないので折り合いがつかず長引きかねません。しかし、遺言書が作成されていれば遺産分割協議書などの文書を作成する必要が亡くなり。相続税の申告などの手続きにかんして、作成しないときよりも余裕を持つことができます。
以上が遺言書作成に関してのおもなメリットになります、では次にデメリットについても考えていきましょう。
【遺言書作成のデメリット】
1 、遺言書は正しく作成をおこなわないと無効になるケースがあります。公証人が作成する公正証書遺言書は不備が発生する確率は非常に少ないですが、他方の自筆証書遺言書や秘密証書遺言は専門家がかかわっていないことが多いため、不備があり無効になる場合があります。無効になるおもな原因は、日付や署名が記載されてないことや、押印していないことが挙げられます。また、遺言書の内容が抽象的ですと無効になることがあります。
2 、遺言書の効力は非常に強いものですが、その効力は各相続人の遺留分は侵害できません。遺留分とは相続人が最低限の遺産を確保するために設定された制度で、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人が対象となります。そのため、遺産を1人の相続人に引き継がせたいと考えていても、他の遺留分が発生する相続人が納得しないと新たに相続の争いが発生する可能性があります。
以上が遺言書の共通したメリットとデメリットでした。しかしながらデメリットの部分は、予防策や回避する手段なども存在するので、遺言書作成をお考えの方は一度専門家に確認をしてみてはいかがでしょうか。
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