相続発生後の手続き
■主な相続手続きの流れとタイムリミット
相続手続きのうち主なものとしては、①相続人の確定、②遺言書の調査、③相続財産調査、④相続放棄・限定承認(必要な場合)、⑤遺産分割協議、⑥預貯金の解約と名義変更、⑦相続税申告があります。
このうち④は被相続人の死亡を知った時から3カ月以内に、⑦は被相続人の死亡を知った時から10か月以内に行う必要があります。したがって、これらのタイムリミットを念頭に、計画的に相続手続きを進めていくことが大切になります。
■相続人調査
相続人調査では、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本をそろえて親族関係を再確認することにより、誰が相続人となるのかを調査します。
なお、戸籍謄本は相続登記等の後の手続きでも必要になる場合があります。
■遺言書の調査
遺言書は、相続人や相続割合、遺産分割方法を決定する効力をもちます。したがって、後の手続きを進めるためにも、遺言書の有無を明確にすることが必要となります。
遺言証書遺言の形式をとっている場合、遺言書の保管方法には法律上定めがありません。被相続人の自室等に遺言書がないか確認しましょう。
公正証書遺言や秘密証書遺言の場合、遺言書は公証役場に保管されています。必要があれば問い合わせて確認しましょう。
■相続財産調査
相続財産には、銀行預金や不動産、高価な動産等の他、ローン等の負の財産も含まれます。
銀行預金やローン等は、被相続人の郵便物等を確認して調査しましょう。また、不動産については固定資産税評価証明書や名寄帳を利用しましょう。
■相続放棄と限定承認
相続財産調査の結果、負の財産が正の財産を上回ってしまった場合には、相続放棄や限定承認を行う方法もあります。
相続放棄とは、相続人としての地位を放棄することをいいます。限定承認とは、正の相続財産額の限度で負の相続財産について責任を負うことをいいます。
相続放棄・限定承認は相続人の死亡を知ったときから3箇月以内に家庭裁判所に申し出ることによって行います。この期間を経過した場合には、単純承認したものとみなされます。
■遺産分割協議
遺産分割協議とは、誰が何を相続するかを相続人全員の協議と合意によって決定することをいいます。被相続人が死亡すると相続財産は相続人全員による共有状態となりますが、遺産分割協議を行うことによって各自の単独所有となります。
遺産分割協議の方法に決まりはなく、電話やビデオ通話等の方法によっても構いません。
合意に至ったら、合意内容と日付、相続人全員の署名・押印を備えた遺産分割協議書を作成しましょう。
■不動産の名義変更
後になって不動産の所有権争い等のトラブルが発生しないように、不動産の相続人は速やかに相続登記を行いましょう。相続登記は、必要書類を準備して管轄の法務局に申請することで行います。
■相続税申告
相続税が発生する場合や、特別控除を使用する場合には、相続税申告の手続きが必要になります。相続税申告書を作成して、税務署で申告します。
相続税申告には、被相続人の死亡を知った時から10か月以内というタイムリミットがあり、申告書の作成も慣れないと時間がかかる場合があります。税理士に相談・依頼することで、手間や時間を節約するという方法もあります。
丸山良尚税理士事務所では、武蔵野市をお住まいの方を中心に、相続税対策や相続税手続のサポートを行っています。相続税のことでお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。